第一話 虚ろなる転

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「ジャマヲスルナ。 カトウシュゾクガ!」 異法使いは、力一杯鎌を振り抜き、ロクシスを吹き飛ばした。 ロクシスは大きく吹き飛び、巨木に打ちつけられた。 「サテ、キサマノ『ルミナス』ヲイタダコウカ」 異法使いが、再び鎌を振り上げる。 「助けて……、ロクシィ……」 消え入りそうなリリィの声が、ロクシスの頭に流れる。 「止めろォォォオオオオ!」 ロクシスが、獣じみた咆哮を上げた瞬間、 確かな悪意の籠った鋭利な刃が、リリィの腹に突き刺さった。 鎌の刃から、黒い何かがリリィの体に流れ込み、次いで、鎌を伝って白い光が異法使いに流れ込んでいく。 そして、異法使いはゆっくりと鎌をリリィから引き抜いた。 リリィの体が、糸が切れたように崩れ落ちる。 「……ヨウハスンダ。ソロソロ、イクカ」 異法使いが、鎌を一振りすると、鎌は光に包まれて消えた。 ロクシスは、痛む体を無理矢理起こすと、異法使いの前に立ち塞がった。 「行かせるかよ……。 よくも、よくもやったな……、リリィを、リリィをォォオオ!」 木剣を振り上げ、雄叫びと共に異法使い目掛けて叩きつけた。
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