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「ジャマヲスルナ。
カトウシュゾクガ!」
異法使いは、力一杯鎌を振り抜き、ロクシスを吹き飛ばした。
ロクシスは大きく吹き飛び、巨木に打ちつけられた。
「サテ、キサマノ『ルミナス』ヲイタダコウカ」
異法使いが、再び鎌を振り上げる。
「助けて……、ロクシィ……」
消え入りそうなリリィの声が、ロクシスの頭に流れる。
「止めろォォォオオオオ!」
ロクシスが、獣じみた咆哮を上げた瞬間、
確かな悪意の籠った鋭利な刃が、リリィの腹に突き刺さった。
鎌の刃から、黒い何かがリリィの体に流れ込み、次いで、鎌を伝って白い光が異法使いに流れ込んでいく。
そして、異法使いはゆっくりと鎌をリリィから引き抜いた。
リリィの体が、糸が切れたように崩れ落ちる。
「……ヨウハスンダ。ソロソロ、イクカ」
異法使いが、鎌を一振りすると、鎌は光に包まれて消えた。
ロクシスは、痛む体を無理矢理起こすと、異法使いの前に立ち塞がった。
「行かせるかよ……。
よくも、よくもやったな……、リリィを、リリィをォォオオ!」
木剣を振り上げ、雄叫びと共に異法使い目掛けて叩きつけた。
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