放棄

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「今年から別荘には行かない」 中1の夏休み前、いつもニコニコ顔の父さんから笑顔が消えた。 「……え?なんで?毎年行ってたのに?」 俺の動揺を切り捨てるように、父さんは淡々と更に衝撃的な言葉を放つ。 「愛来ちゃんや、本城家のことはもう忘れなさい」 父さんの横で話を聞いていた母さんはずっと俯いたまま。 思いもしなかった父さんの発言に、俺はこの後に続いた父さんの言葉をあまり覚えてないんだ―――
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