始まりは熱いキスで

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高校最初のクラスでの、最初の挨拶、重要な印象付けの場であるここにおける人のパターンは大きく分けて二つ。 「征雲(せいうん)出身、麻倉夜一(あさくらよいち)!ブログなんかもやってます! よっちゃんって呼んでね!」 印象付けにこだわり、いきなりハイテンションにかまして来る奴。 それにしても、すごい美人だな。 「……同じく征雲。綾波だ」 たいして場にこだわりも見せず、無愛想に振る舞う奴。 これはさすがに極端だが。 「えっと、下まで言おうね?」 「…………」 「ひっ……」 いきなり先公にガン付けとは、この銀髪男……やりおる! 脱色?それともハーフかな? 「……ケイトだ」 「……次、えっと」 びくびくしている担任と目が合う。 次、あたしの番だったな。テキトーでいいな、うん。 「松鷹(しょうよう)出身、皆川志帆(みながわしほ)です。数式見ると目眩起こす持病持ちです。仲良くしてやってください」 対照的な振る舞いをする美女と美男の存在に威圧されていたクラスのところどころから、小さな笑いが漏れる。 こんなもんと目配せをしてやると、目立つべく真ん中の席に陣取った“あの馬鹿”は、目を逸らす。 ダメだな、これは。
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