Sweet・忠義

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放課後― ザ- 「‥嘘やろ‥」 空は ついさっき見た景色とうって変わって雨模様やった。 「‥んなアホな‥」 丸ちゃんもとなりでそう呟く。 これじゃ校舎から出られへんやん‥ 下駄箱の前で途方にくれていた。 「ほら見ぃ。アホやなぁお前ら」 「亮ちゃん、入れてやー」 「嫌じゃ。俺は今日友達と大事な約束があんねん」 「ケチっ」 亮ちゃんは悪戯っぽく笑うと ホンマに入れてくれないまま去って行った。 「…ホンマにケチやね…」 「ねー…」 「…はっ!そういや僕も今日ヤスと約束あんねや!」 ヤスってのは 隣町の高校の男の子で 私も最近仲良くなった。 「え、大丈夫なん?」 「あー、もう走るしかないな…。雨宿り、最後まで付き合えんくてごめんな?じゃあバイバイ!」 そう言って 丸ちゃんは走って行った。 とうとう1人。 「…最悪や…」 その時 誰かが私の名前を呼んだ。
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