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思うに世の中の表現者にはふたつの種類があって、ひとつはその表現の形態が好きで仕方がない人(例えば絵を描くのが好き・文を書くのが好き)、もうひとつは必要に迫られた人、です。
今回は高木郁乃さんという方について書きたいと思います。
JungleSmileのボーカル、といってどの程度の人がわかるのでしょうか。自分があまり好きなので、世の中での知名度がいまいちわかりません。
聞いたことがない、という方のためにJungleSmileについて一応の説明をさせていただくと、1996年にシングル「風をおこそう」でデビュー、2002年に活動中止した音楽ユニットです。(たしか中止という表現だったと思うのですが、ちょっと曖昧です)
郁乃さんはジャンスマの活動中止後しばらく表には姿を見せなかったのですが、最近また活動を再開されました。
現在ソロとしてシングルとアルバムを一枚ずつ出されています。ライブ活動も時々なさっているようです。以前は作詞のみでしたが、今は作曲もされています。
例えば歌の世界なら、歌うのが好きだから歌うという人と、歌わざるをえないから歌うという人がいると思います
この郁乃さんはもちろん歌が好きなのでしょうがどちらかというと後者、歌わざるをえないから歌う、という人ではないでしょうか。最近の曲「やわらぎ」の中ではそんなようなことを思わせる詞を歌われています。
こんなことを書くのは失礼かもしれませんが、郁乃さんは自分を切り裂くように歌います。
活動中止の理由は今も明らかにはされていませんが、歌を聴けばそれも致し方ないことに思えます。それは必然だったのではないでしょうか。
郁乃さんの歌は、芯の芯まで響いてきます。もっと上手に歌うひとは他に大勢いるかもしれませんが、郁乃さん以上に響いてくる歌を歌う人は他に知りません。
万人に届く歌ではないかもしれません。(たぶんそんなものはありません)ただ、この人の歌を必要としている人は、少なからずいるはずです。
そんな人には、郁乃さんの歌は、どこまでも深く響くはずです。
ジャングルスマイルはもう八年も前に活動をやめてしまいましたが、あの頃にこの歌を必要とした人たちは、ずっと待っていたはずです。この人の歌は、そういう種類のものです。
必要とした人たちは、例え新しい曲が出なくても、同じ歌を繰り返しいつまでも聞き続けていたはずなのです。
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