出会い

6/12
前へ
/78ページ
次へ
深夜1時― 俺はいつものように、近所の工事現場でバイトをしていた。 バイトをする理由はただひとつ… 働かなければ、食っていけないから。 親のいない俺には、頼れる者もいない。 まさに、働かざるもの食うべからず、というわけだ。 そんなわけで、手っ取り早く稼げる深夜バイトをしていたわけなのだが、そこにたまたま通りかかったのが美羽だった。 「榎木く~ん!榎木優介く~ん!」 心当たりのない女の声。 深夜だというのに、近所迷惑なバカでかい声。 一体誰だ…? そう思って声のするほうを見ると、そこにいたのは… やべ…あれは確か俺の学校のセンコー… 確か、篠田とか言ったかな。 はぁ…説教か…。 学校に行かず、バイトに出ている俺に説教しようと呼んでいるんだろう、そう思った。 俺は無視するわけにもいかず、篠田先生の前まで歩いて行った。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加