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「お疲れーっす」
ふ~っ。
深夜3時、仕事が終わった。
肉体労働は正直疲れるし大変だ。
でも、汗を流しながら体を動かして何かをするのは嫌いじゃない。
それに…疲れているほうが…よく眠れる。
さて、帰って寝るか…
そう思って工事現場から出ると、すぐそばの歩道の端にちょこんと座る篠田先生の姿が見えた。
「マジかよ…」
すっかり忘れてた。
ってか帰ったもんだと思ってた。
「あ…」
篠田先生がこちらを見た。
やべ、気づかれた…。
「お疲れ様っ!」
「………」
「さっどこいく?」
いやいやいや…
今何時だと思ってるんだ…てかほんとこの人なんなんだ…。
「あ、そうだ!この近所に24時間営業のファミレスあるの!そこいこっ!」
俺が一言もしゃべってないことを気にもとめない様子で、どんどん話を進めていく。
「あのさ…」
「ん…?ファミレスじゃいや?」
「いやそういう問題じゃねぇんだけど…」
「じゃあいこっ~!」
そう言って俺の手を引いてスタスタと歩き出す。
俺は疲れていて、もう抵抗する気にもなれなかった。
(とっとと話つけて帰ろ…)
そう思って、俺はまるで親に手を引かれる子供のように手を引っ張られながらファミレスまで歩いていった。
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