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「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ。」
店に入ると店員さんの落ち着いた声に迎えられた。
「あそこっ、あの窓際の席いこっ!」
篠田先生がそう言って俺の手を引く。
こんな真夜中に景色を見るわけでもあるまいし…
そう思いつつも、俺は指定された席に座った。
「ねぇ、何か食べる?おごるよ!」
「……」
とにかく早く終わらせて帰りたいので、何も食べる気はない。
「アイスコーヒー。」
何も頼まないわけにもいかないので俺はそうつぶやく。
「大人だね~。
ん~、私はチョコレートパフェにしよっかな!
すみませーん!チョコパフェとアイスコーヒーお願いします!」
決めたかと思うと即店員に向かって注文をさけんだ。
「かしこまりましたー!」
店員が答える。
俺としては、とにかく早く持って来い、早く帰らせろ、そんな気分。
「ふぅ~っ」
篠田先生が息をつく。
俺は、どんな話をするのかも何を聞かれるのかもわからず、とりあえず黙り込んでいた。
「ねぇ…榎木くん?」
きたか…
「何スか?」
「……好きな歌手とかいる?」
「……え?」
そこから先は…なんというか、ただの友達同士の会話でしかなかった。
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