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「あっ…大変!時間時間!もう6時!
帰ってお風呂入らなきゃ…学校に遅れちゃう!」
少しあせった様子で篠田先生が言った。
店内の時計に目をやると、午前6時、窓からは光が差し込んでいた。
3時間も話してたのか…
ほんの一瞬のように思えた。
時間を忘れるほどに楽しかった。
「榎木くんも、帰ってゆっくり寝なきゃね。
また夜には仕事なんでしょ?」
「あぁ…そうだな。」
ゆっくり寝ろって…俺がおたくの生徒で学校に行かなきゃいけないはずだってこと、忘れてんのかな。
そう思うほどに、篠田先生は俺に対して学校に行けとは言わなかった。
「じゃ、急ぐから出るね!お会計は済ましとくからっ!また明日ねっ…!」
「ちょ……まっ」
篠田先生はあわただしく立ち上がると、俺が呼び止める間もなくレジへと向かい、会計を済ませて出て行ってしまった。
一人になった俺は、今日、篠田先生と出会ってから今別れるまでのことを思い出していた。
変な奴…だけど…
今まで経験したことのない、不思議な感情が、胸の中にポカンと現れた気がした…。
ん…?
また明日…?
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