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その日から、篠田先生は毎日工事現場に現れた。
そして、俺自身、篠田先生が来ることを期待してしまっていた。
仕事をしつつも、来てないか気になってあたりを見回したり、仕事に集中できずに怪我をしそうになったり…
情けなさすぎる…。
そう思うのだが、篠田先生の姿が見えるとつい頬が緩んでしまう。
あぁ、俺きもいって。
仕事の後にファミレスでたわいもない話をする。
「先生、こんな時間までしゃべってて、いつ寝てんの?日中は学校だろ?」
「ん~、授業中にこっそり…。
黙読させてる時間とかねっ。」
それでいいのか国語教師。
「悪い先生だなぁ~。」
「あら、不良生徒に言われたくないなぁ~。」
そう言ってニヤニヤする篠田先生。
こんな風にくだらない話ばっかりで、でも楽しくて…
この時間が、何より好きになっていた。
先生との深夜の密会を始めてから4日目のこと。
先生の様子がいつもと違うことに気がついた。
外にいるときは暗くてわからなかったが、明るい店内ではよくわかる。
目が…赤い。
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