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「先生…目、赤いよ?なんかあった?」
「あ…ううん、ちょっと寝不足なだけ…。」
そう言ってうつむく篠田先生。
怪しい。
「それ、寝不足って感じじゃないけどな~…あっ、涙のあとついてるよ?」
「えっうそ、ちゃんと化粧直ししたのに…あっ!」
引っかかった。
やっぱり、泣いたんだ。
「榎木くん…いじわるだね。」
「先生素直だから、隠し事とかできないっしょ。」
「あはは…そうだね…。」
力なく笑う篠田先生。
何があったんだろう。
どうして泣いたんだろう。
誰かに泣かされたんだろうか。
誰に…?
聞きたい。
知りたい。
もしも困ってるなら助けたい。
悲しんでるなら…慰めてあげたい。
一人で泣かせるくらいなら、俺の傍で…。
あぁ…そっか
これが…愛しいって気持ちなのか。
傷ついている彼女を、抱きしめてあげたくて…いや…抱きしめたくてたまらない。
俺…篠田先生が…好きなんだ。
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