恋心

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今まで俺は、人を好きになったことなんてなかった。 自慢じゃないが、顔は悪い方ではない。 身長もそこそこあるし、太ってるわけでもない。 そのおかげか、学校でも時折女子の熱い視線を受けることもあったし、ロッカーにいわゆるラブレターが入っていたこともある。 でも、どんなに見つめられても、好きと言われても、信じられなかった。 お前は俺の何を知ってるんだ? 何が好きなんだ? こんなロクデナシの、どこがいいって言うんだ? 大嫌いな自分を好きだと言われても、信じられなかったし、俺が好きだと思える人もいなかった。 レンアイなんて…愛なんて…俺には無縁だと、思っていた。 それなのに… 今、目の前にいるこの女性を、俺は愛しいと思った。
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