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何があったのかなんて、俺には言いたくないかもしれない。
俺なんて篠田先生にとっちゃまだまだガキだろうし、大人には大人の悩みがあるんだから…
俺が無理に聞くのはよくない…
頭ではそう思うのに、抑えきれない衝動。
「何があったか…話してくれない?
俺には言えないこと?」
「そういうわけじゃ…」
うつむく篠田先生。
あぁ、困らせてしまっている…
わかってるなら引けばいいのに、そう出来ない俺は本当にガキだと思う。
「先生…教えてくれるよね?」
追い討ちをかけるように尋ねる俺。
「あ…う…わかった…。
あのね…たいしたことじゃないの…
ほんと…ちょっとしたことなんだけどね…。」
「うん」
「榎木くんさ…吉村先生って知ってる…?」
吉村…あぁ…確か女子に結構人気がある英語の先生だったな…。
ん~、なんか話が見えた気がする。
「一応…そいつがどうかしたのか?」
とりあえず聞いてみる。
「なんかね…吉村先生と私が付き合ってるって噂が流れちゃって…それでね、吉村先生のファンの女の子達の反感買っちゃったみたいで…。」
そんなとこだろうと思った…。
「なんかされた?」
「直接何かされたわけじゃないんだけど…授業中にわざとらしくおしゃべりしたり、私が呼んでも無視したり…。」
あぁ…女って怖い。
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