4人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「だめだよね…先生なんだから、このくらいのことで落ち込んでちゃ…。
ほんと、情けないなぁ私…。」
泣きそうな顔で篠田先生が言う。
「先生…気にすんなよ。
生徒全員に好かれる必要なんかないだろ?
そんな女ども、ほっときゃいいじゃん。
それに…その噂…吉村先生と付き合ってるってのも…ただの噂なんだろ?」
あぁ…先生…
情けないのは俺のほうだよ…。
先生が傷ついてるっていうのに、俺が気になるのは…
噂が、本当に噂なのかどうか。
先生が、吉村先生と付き合っているのかどうか。
先生を慰めてやりたいのに、そのことが気がかりでどうしようもない。
つーか、付き合ってなかったにしても、そんな噂流れること自体気に入らない。
独占欲。
篠田先生と付き合っているわけでもないのに…。
自分がすごく、あさましく思えた。
最初のコメントを投稿しよう!