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「先生…先生は、ちょっと天然というか素直すぎるとこもあるけど、綺麗だし、優しいし…きっと…先生を好きな人、いっぱいいると思う…。」
(そう、俺みたいに…)
「だから、少しぐらいのこと気にしないで、いつもみたいに笑ってろよ…な?」
女に対して綺麗だなんて、はじめて言った気がする。
てか、もうちょっと気の利いた慰めできないのかよ俺は…。
「俺…先生はさ、笑ってるときが一番…その…なんつーか、先生らしいというか…輝いてるというか…」
だんだんとパニックになり、言ってることがしどろもどろになってきた。
「と…とにかくさ、俺、先生には笑っててほしいんだ!」
何いってんだ俺…
もうちょっとなんか言うことないのかよ。
「ふふっ」
ん…?
「あはははっ!」
さっきまでしゅんとしてた篠田先生が、急に笑い出した。
「ごっごめん…ふふっ。
なんだか、嬉しくって…
いつもクールっていうか、あんまり感情を外に出さない榎木くんが、なんだか必死に慰めてなくれてて…
それが、なんだかおかしくて…」
「先生…ひでぇ。
俺がせっかく心配してやったのにさっ。」
笑ってくれたことが嬉しくて、でもそんなこと言えなくて、文句をたれる。
「あははっ、ごめんごめん。
でも、ほんと元気出た、ありがとう。」
「ん…。」
「これであと3日間、頑張れそうだわ。」
「え…あと3日…?」
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