恋心

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「うん…講師として榎木くんの高校に勤めさせてもらうのは今月いっぱいだから…あと3日で、移動になるの…。」 あと3日…そんな… まだ出会って間もないのに、もうお別れ? はじめて人を好きになったのに、もうお別れ? 嫌だ…そんなの…嫌だ… 「榎木くん…?どうしたの…?」 きっと俺は悲壮な顔をしていたんだろう。 篠田先生が心配そうに俺の顔を覗き込んだ。 「あ…いや、なんでもないよ。 あと3日間、頑張れよな…。」 俺は、なんとか平静を装ってそう言った。 「ありがとう…。 あ、そろそろ時間だから…行くね。 また明日!」 篠田先生はそう言うと、スッと立ち上がり、伝票を持ってレジへと向かっていってしまった。 今日こそは俺がお金を払おうと思っていたのに、篠田先生との別れが迫っているという事実を前に、俺はしばらく立ち上がることもできなかった…。
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