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篠田先生と会える最後の夜。
篠田先生がじきに学校を去ると聞いたあの夜から、そのことをできる限り考えないようにしてきたが…
とうとう、今日でお別れ…。
いつものように、ファミレスでくだらない話をしている俺と篠田先生。
本当は、聞きだいことがたくさんある。
どうしてあの日、俺に声をかけたのか。
どうして毎日俺に会いに来るのか。
そして…俺のこと、どう思っているのか。
今日聞かなきゃ…そう思うのに、何一つ聞くことができない。
俺の…いくじなし…。
「あ…ねぇ見て…空が、明るくなってくよ…
綺麗だなぁ…。」
窓から空を眺めながら、篠田先生が言った。
俺も、空を見た。
夜が、明けていく…。
いつもこの窓際の席に座っていたものの、話に夢中で外なんか見てなかったな…。
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