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驚いた。
先生が、俺に一目惚れしたこともそうだけど、何より、俺と同じようなことを考えていたことに。
先生が、高校生なんて相手にするはずがない…
俺はずっとそう思っていたから…。
「あなたがうちの生徒だって気づいて…諦めなきゃって思った。
でも…どうしてもあなたと話がしてみたくて…
気付いたら、あなたの名前を大声で呼んじゃってた…。」
初めて篠田先生に名前を呼ばれたあの日…俺にとっちゃ運命の日のことを思い出す。
「先生、すげぇ大声で俺のこと呼ぶもんだから…びびったよ。」
「あはは、だよね…。
自分でも、びっくりだった。
あなたは不良だって有名だったし、私、そういう人は怖くて苦手だったし…
なのに、あなたにどれだけ怒鳴られても、引き下がろうと思わなかった。」
「…あのときは、ごめん…。」
「ううん…急に声をかけた私が悪いの。
それに、なんだかんだ言っても榎木くん、私についてきてくれた。
嬉しかった…。
あなたと話をして…一緒にいればいるほど…好きになっていったわ…ダメだって、分かってるのに…。」
「俺も…同じだよ。」
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