君を忘れない

出会い

俺の高校に講師としてやってきた頃、美羽はまだ22歳で、生徒からは

「若くて綺麗な先生」

としてすぐに人気者になった。

俺はほとんど学校にも行かなかったが、呼び出しをくらって登校したときに美羽を見掛けても

「ちやほやされて喜んでるバカな先生」

ぐらいにしか思わなかった。

そんな俺が初めて美羽と話をしたのは、美羽が俺の高校を去るほんの一週間前だった。