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玄関に翼の影がみえる。
冬にはいって雪が
降り始めた。
「翼…」
「琉羽!」
ドア越しに話し掛けた。
『帰って』
そう言うために。
「帰っ「琉羽?」
あたしの言葉をさえぎる。
「…」
「俺、琉羽と別れたくない
琉羽の苦しみ俺にもわけてよ?1週間苦しかっただろ?言えなくて。気付かなくてごめんな?…ってか気付いてた」
え?
気付いてたの…?
「琉羽日に日にやつれていくし。H拒むし(笑)髪だって薄くなった」
Hはさすがに拒んだ。
癌患者って知ったら軽蔑されそうだったから
「まってたよ。言ってくれるの」
涙が…
とまんないよ
「ガチャ」
ドアを開いた
3日ぶりの翼の姿
翼の家を飛び出してから
家にひきこもって
メールも着信も
シカトしてた
それと同時に翼が
うちに通うようになったの
雪が降っても
夜でも朝でも
学校あるのにね?
あたしがくるのまってんだ
玄関に座りこんで。
ずーっと。
「翼?」
「琉羽…痩せた」
「ごめんなさい」
「ばか。誤んな」
頭をぐしゃってなでる手
あったかいね
翼とがんばりたいよ、あたし
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