告白

5/6
前へ
/44ページ
次へ
玄関に翼の影がみえる。 冬にはいって雪が 降り始めた。 「翼…」 「琉羽!」 ドア越しに話し掛けた。 『帰って』 そう言うために。 「帰っ「琉羽?」 あたしの言葉をさえぎる。 「…」 「俺、琉羽と別れたくない 琉羽の苦しみ俺にもわけてよ?1週間苦しかっただろ?言えなくて。気付かなくてごめんな?…ってか気付いてた」 え? 気付いてたの…? 「琉羽日に日にやつれていくし。H拒むし(笑)髪だって薄くなった」 Hはさすがに拒んだ。 癌患者って知ったら軽蔑されそうだったから 「まってたよ。言ってくれるの」 涙が… とまんないよ 「ガチャ」 ドアを開いた 3日ぶりの翼の姿 翼の家を飛び出してから 家にひきこもって メールも着信も シカトしてた それと同時に翼が うちに通うようになったの 雪が降っても 夜でも朝でも 学校あるのにね? あたしがくるのまってんだ 玄関に座りこんで。 ずーっと。 「翼?」 「琉羽…痩せた」 「ごめんなさい」 「ばか。誤んな」 頭をぐしゃってなでる手 あったかいね 翼とがんばりたいよ、あたし
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加