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いま、挙げた二つの理由で僕は落ちる。ここからそしてこの世から。
両親や恋人を捨ててまであの世への片道切符を手に入れようとする。
馬鹿。
愚か者。
それが僕。
さて、平凡な男子高校生の独白めいた語りはここら辺で終わりにしよう。
気がつくと僕はフェンスにぶつかりガシャンという無機質な音が聞こえた。
心なしか風が弱まった気がする。
しかし、追い風のままだ。
どうしてだろう。
鼓動が速くなり額から汗が垂れる。
胸には期待と不安が入り混じる。まるで、入学式前日のようだ。
似たようなものか。
何故か僕は浅く溜息をつく。
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