僕は死にたいから恋人だった人を助ける。

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思い出した。 ここは彼女の家のリビングだ。 僕が横たわっているソファーもテレビもキッチンもその全てがそうだった。 なるほど、あの世は彼女の家だったのか。 どうりで親しみが持てた訳だ。 初めてお呼ばれした時もなんとなくリラックスできたことを思い出す。 ということは彼女はあの世の番人か。 なんてこったい、僕の高校はアルバイト禁止なのに。 真面目な彼女が。 信じられない。 いや、家業は大丈夫か。 そういえば、家が酒蔵のクラスメートが酒臭かったな。 酒を造って試しに飲んできたとか言ってたっけ。 あっ、アウトだ。 てか、嘘だ。あの野郎。枕元に立ってやる。 さて、そろそろ頭が回ってきた。 少しずつ現状を把握しよう。
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