浴槽

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  張り詰めた絶望が細い細い糸となり 喉に、肩に、足首に 鼓動を刻む柔らかい心に 傷つけ引きちぎろうと食い込む。 だから私は身動きもできない。 「兄さん」 兄の身体はすでに傷付き血が流れている。 見えない糸に伝う雫。 胸の丸みをなぞる兄の舌の感触。  
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