13.決断と揺れ

11/13
前へ
/267ページ
次へ
『真莉はずっと俺を想っていてく  れたって言ってたけど、俺にし  たら真莉とは出会って間もない  んだ。  言ったと思うけど、高校の時の  女なんて全く覚えてないし、そ  れを責め立てられても俺にはど  うする事も出来ない。  それを理解した上で付き合って  くれてると思っていたから、正  直責められるのは面倒くさい。  それに俺は、真莉とはこれから  だと思っていたけどこう何度も  同じ様に問い詰められるとこの  先も真莉は絶対に同じ事を繰返  しながら俺を追い詰めていくの  かなってしか思えないんだよ。  そんなの幸せじゃないし、お互  い嫌な思いをしながら付き合っ  ていくのも嫌なんだよ。』 「…つまり別れたいって事?」 『そうなるかな?  真莉やこれから付き合っていく  人にとっては残酷かもしれない  けど、俺は一生柚姫を忘れられ  ないと思うんだ。  この気持ちがいつか無くなって  も、俺の中で柚姫との思い出は  消えない。  俺は、この想いが自然的に思い  出になる日まで無理に忘れたい  とも思わないし。  そんな俺と付き合っていくのは  正直キツいだろ?  それに、付き合っていく時間が  長ければ長い程お互いが辛い思  いをするだけだと思うんだ。  だったら、まだ今の内、付き合  う時間が短い方が傷が浅くて済  むと思うんだ。  …自分勝手だけど、これしか思  い付かない。』 「嫌…  別れる方が嫌だょ…。」
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

167人が本棚に入れています
本棚に追加