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薄明かりの中でも、はっきりと異国の猫であろう長い長い体毛を持つ猫から、何処にでも居るような毎日近所から餌を貰っていると思われる野良の三毛猫まで様々な種類がいる。
始めは特に奇妙とは思わなかったのだが、全体を見ると首を傾げては、これはこれはと感心する。
この空き地に集った猫一同、どれも同じ種であろう猫同士が集まっている事に気付いたのだ。
奇妙ではあるが、猫の集会と言われているほどなのだから、これはまさに今、会議でも行われているのではないかと思い至る。
途端に、興奮し傍聴者という立場であるという気分になってきたのだ。
これは、神妙にするのが一番ではないかと思い、静かにその場へと座り込んだ。
猫たちはそんな行為を見るわけでもなく、寝そべったり毛づくろいを行っていたのだが、黒猫がまた「にゃお」と言うと猫たちは、黒猫を見つめたのであった。
黒猫は凛々しい顔つきをしているようであった。
生憎とこちらから一番奥にいるのでその黒い体毛ゆえに闇に紛れていてしまっている。
それでも、光る二つの眼だけはしっかりと見る事ができ、あの黒猫がさしずめ議長様であると理解した。
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