猫の集会

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猫たちはにゃあにゃあ鳴く訳では無いが、それでも先ほどのようにじゃれあっている猫は一匹も居なかった。  人間に解らないように会話をしているかもしれない。  猫の集会からこちらまでは5mは離れているだろうし、そもそも常識に捕らわれてはこの集会を傍聴している意味は無いのかもしれないと思ってしまった。  議題は何であろうか。  そう勝手に考え始めてみると、近所の婆が最近、亡くなったのを思い出す。  あの婆は大層に元気で日課として外へ出て散歩する91歳であった。  思えば、あの婆は良く猫に餌を与えていた。  そう考えてみれば、餌を与えてくれた心優しき老婆が突然、死んでしまった。  さて、餌をどうするか。などといった話し合いではないかと考えてみる。  その考えを他所に、猫たちがにゃあと鳴き出した。  小さい声で、まさしく息を殺すかのような鳴き声が、どこか悲しくも耳に流れて来ては、きっと婆の死を悲しんでいるに違いないと思えてきた。
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