プロローグ

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 今年、ついに高校一年生になった俺こと、宮村秋人(ミヤムラアキト)。 中学の時の勉強は、そんなにも難しくない。 だから俺は、ろくに勉強もしないでも、市内で有数の新学校に入学することができたのだ。 なんたって元が天才なのだからな、とふははと笑いながら入学式の準備をしていた。 あれ、背丈が少し大きい。まったく服屋のおばさんは、これだから。 すぐ大きくなるからこれでいいんだよとか言ってたっけ。 あの純粋な笑顔が今では、憎らしい。 そんなことを考えながら、冷え切った部屋にぬくもりを与えるべく、真っ黒なカーテンを横に押しのけ、ガラス張りの窓を開けた。
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