プロローグ

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それにしても、日本と言う国は、本当に不便だ。 春夏秋冬で、その季節ごとに風が強かったり、雨が強かったり、雪が降ったり。 振り回されまっぱなしだな、日本人。 1人で納得していると、 「秋人ー、朝ごはん食べないと、入学初日から遅刻だよー」 大きい声が二階まで聞こえてくる。はいはーいと返答すると、二回も言わないの!っていつも怒られる。 今日も怒られた。 優しい母が鬼に変わらないうちに早いところ下に下りよう。 開けていた窓を閉め、新しいカバンを肩に掛けた。 しっかり部屋のドアを閉めて、階段までの廊下を歩く。 床は、木目のフローリングで、素足だと冷たい。 なるべく早足で廊下をクリアし、新しい生活に夢を馳せながら、階段を二個飛ばしで下りた。 そして、すべった。
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