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いったい誰が命を右から左へと悪戯にもてあそぶのか。
誰がこんなくだらない計画を思いついたのだろうか。
エンデはミカエルを睨みながら、神というわけの分らない代物に「クソったれ」の形容詞をつけるべきか悩んでいた。
割れ窓から瓦礫に差し込む陽光が、複雑な陰影を作り出し、その日差しの中で微かな埃が、聖なる輝きを反射している。
その中に二人はいた。
エンデは生まれたばかりの人間の赤ん坊を始めて見た。
それは彼にとって余りにもグロテスクな怪物であった。
血まみれのその物体はのそのそと力なく動いていたが、母親は身動きもせず床に横たわっていた。
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