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次の日からエヴァは頻繁にエンデの部屋を訪れては、赤ん坊に乳を与えた。
最初はいい稼ぎ口だと思った。
次第に両の手に馴染む赤ん坊の体に愛着を覚え始めた。
エヴァの母性は日に日に再生され、気付くと思いのほか強い赤ん坊の手に、その疲れた手を握らせるがままにしていた。
時間は過ぎる。子供の成長は早い。
エンデは時間の感覚が鈍くなった。
朝から晩まで、オムツやら授乳やら、疳の虫やら、夜泣きやら、育児の異常さを体の芯から思い知らされた。
脇で見ているミカエル曰く、
「人間は手間がかかる」との事だった。
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