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どうもこれは冗談の類ではないと、エンデが考え始めた時、あのバックパッカーが隣を歩いていることに気づいた。
このモジャモジャ頭は、まるで前からの友人のようにエンデに話しかけた。
「私が見つけたのだよ。すごいだろ」
何だこいつは? とエンデが思った瞬間、ミカエルがモジャモジャに話しかけた。
「いや、本当にご苦労だったね。一体ヤツは何処にいたんだい?」
ミカエルの問いかけに、得たりとばかりにモジャモジャは話し出した。
「ロトはずっと地獄にいたらしい、5千年前からね。何らかの手違いで、ベルゼバブの蝿に乗って、地上に帰ってきてしまったようだ。問題は、魂は死んでいなくても、肉体はとうの昔に滅んでいるって事。そしてベルゼバブの卵が、その腐った肉体に産み付けられているかもしれないって事」
モジャモジャはなんとも不気味な事を、さも当然のように話し、ミカエルもそれを当たり前のような感じで聞いていたが、ただ一人、エンデだけは黙って聞いていられなかった。
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