聖なる者達

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聖なる者達

 ミカエルが神に懺悔したその少し前、屈強な警備員に連れられた浮浪者が、ショッピングセンター内の事務「別室」に、おとなしく入っていった。  この部屋は、警察に引き渡すかどうか怪しい立場の、いわゆる「困った人」を保護という名目で留置し、話し合いで済ますのか、警察行きかを判断する場所だった。  一応危険はないと見なされる人間のみがここに留置され、お説教をされたり、警備員に押さえつけられながら警察を待ったりするのだが、最悪の事態を想定し、部屋を使用する際には常時監視カメラを作動させる決まりになっている。  監視カメラの映像は、守衛室のモニターで「動作中の常時の監視」を義務付けられていた。
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