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少し前のエンデなら「ふざけんな!」と言い放ち、預言者の仕事などは全くの無視で、安全な場所へと逃げ帰っていただろう。
しかし今回の彼はそうはしなかった。
預言者の仕事の大部分は、テミスの将来に大きく関わってくるのではないかと考えていたからだ。
エンデには相変わらずたいした正義感も、道徳感もなかったが、一人娘の将来を気にかける事にかけては、よその親と全く変わりなかった。
「おい、俺がこの仕事を断ったら、テミスはどうかなるのか?」
親の心配など何処吹く風で、眠り続けているテミスの髪の毛を指で梳かしながら、エンデは聞いた。
「別にどうもならないさ。ただ、君やエヴァは他の人々と同じように、ロトの撒き散らす疫病やら、何やらにやられるだろう事は間違いないだろうね」
「なんで俺とエヴァがやられて、テミスは大丈夫なんだ?」と、しごく当然の疑問が思い浮かんだ。
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