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「最初に言っておくよ。心を読んで悪うございました」
そう言うとミカエルはテミスをまじまじと見つめ、預言じみた事を言った。
「この子は『定められた者』だよ。特別な運命の申し子さ。決して揺るがない大地であり、約束であり、母である。全ての始まりと、全ての終わりを知り、祝福されるであろう」
「全く意味が分からんが、要するにテミスは大丈夫って事だと受け取っていいんだな」
「そこは請合うよ。テミスを心配しているようだけど、一緒に行っても害はないよ。」
そういったミカエルの胸の内には、これこそが定められた運命であるという、例の『天使の予感』が働いていた。
しかしエンデはミカエルの何一つ根拠を示さない言葉を、信じていいものか迷っていた。
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