聖者と娼婦

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聖者と娼婦

 エンデは立ちんぼのエヴァに金を渡して、このお荷物の為に乳を貰うことにした。  ミカエルが言うには「子供って奴は最初に授乳されるかされないかで だいぶその生い立ちが変わってしまうもの」との事だった。  派手な化粧に身を隠した女は、まだ若いように見えたが、正確な年齢はまるで分からない。おそらく20代後半といったところか。  エンデの部屋のソファーの上で慣れた手つきで授乳をしている。 「もうお乳も必要なくなったってのに、いつまでも染みてきちゃうから困ってたのよ。どうせ私には必要ないものだもん。必要ならいるだけ赤ちゃんが貰うべきよね」  女はつい最近生まれたばかりの子供を、施設職員に奪われてしまったと言っていた。  エンデにはそれがどういう意味なのかいまいち理解できなかった。
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