弐ノ巻 千里眼

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「バカね。爆発させないまま戦うなら人体に斬りつけても爆発しないでしょう?」 「そう……だな。」 「人を殺めないように戦うのは殺めるより難しいもの。バカ犬が悩んでるのもそのことでしょう?」 柴犬はビクっと驚く。 「ならもう盗人はやらないほうがいい。依頼も受けず、ただ商人に励むことね。」 すると、柴犬は重たそうに口を開いた。 「神谷は……どっちがいいんだ……?」 すると神谷は小さく微笑む。 「飼い犬が散歩に気が済むまで私も歩くわよ。」
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