弐ノ巻 千里眼

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「ハハ……。ほんと、いつになったら人間に見てくれるんだか……。」 「そうねぇ……。ちゃんと商人の仕事を手伝ってくれればねぇ。」 「じゃあ当分は犬扱いか。」 「ちょっと!少しは働きなさい!!」 2人が笑いながら歩いていく姿を見つめる黒い影。 神谷はチラッと辺りを見るが 「気のせいかしら。」 「また盗賊か?」 「……何でもないわ。いきましょう。」 2人は黒い影に気づかないまま、歩いていく。 「野良犬か……。やってみたいなぁ~……。でもいまは殿に報告しないと……。」 黒い影は静かに消え去っていく。
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