始まりは突然に

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「…不愉快な鎧ね、一切の攻撃が効かないのだから」 「確かに何回やってもまるで無駄なのはちょっぴり残念かな♪」 「受け止めるこっちとしては冷や汗ものなんだがな」 無駄じゃなかったら智の命に関わるのだが… 「良いじゃないそのくらい…どうせ効かないのだから。そっちだって殴りかかって憂さ晴らししようとも自由なのよ?」 「あー…女を殴る拳は持ち合わせていないんでな。特にお前らみたいな綺麗な奴は殴りたくない」 「なにそれ…馬鹿みたい…」 「智はそういうとこ無自覚だよねっ♪」 凛と雪は笑っている。少しだけ可笑しそうに、けど嬉しそうに?未だにこいつらはよくわからない。 そんな事を智が考えているといきなり凛にこう言われた。 「あなたは馬鹿ね」 「いきなり罵倒されただとっ!?」 「お人好しのバカ」 「誉められている!?」 「けなしているのよ」 「良かったいつもの凛だ…って良くない!」 ……周りを見渡すと空間が解けていく。能力の限界がきたのだろう。 「なかなか有意義な時間だったわ…また明日ね、智」 「また今度だよっ♪」 「能力は使わないでくれよ、心臓に悪いから…」 「あなた次第ね」 「何でだよ…」 「智には一生分からないだろうねっ♪」 「お前らが教える気がないからだろう」 「いつまで経っても気付かないあなたが悪いのよ…」 意味深な表情で凛は言った。 「俺がまるで鈍感みたいじゃないか…」 智がグチグチと呟く。 「…まるでとみたいが余計だよねっ♪」 こっそり囁く雪。智には聞こえなかったようだ。 「…まぁ良いさ。そろそろ下校時刻だし。また明日会おう」 「…ええ、また会いましょう」 「またねっ♪」 智は最後まで気付かなかったようだ…嬉しそうな彼女達の表情に。
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