第六幕

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道場の新鮮な空気を大きく吸い込む 心が清められていく 一人で稽古をしている数人の隊士達が入ってきた 「華恋ちゃん、また、俺と手合わせお願いできますか」 華恋「はい、私なんかでよろしければ、出加減しませんよ」 「望むところです。今日こそを一本取ります」 最近は、こうやって隊士達が手合わせをしてくれるようになった。 人形といつもやっていた私にとっては願ってもないことで嬉しかった 木刀を床に置き精神統一する 「はじめ」 その声と共に目を開き 華恋「やああああっ」 カンカンカンカン カンカンカンカン 木刀のぶつかり合う音だけが道場に響き渡る 華恋「脇が甘い」 「はい」 カンカンカンカン カランッ 「一本、そこまで」 「ああ、また負けた、強いな華恋ちゃん」 華恋「そんな事はないですよ。」 「俺も早く強くなりたい」 華恋「鍛錬あるのみですね」 「はい、また、手合わせお願いします」 華恋「私でよければいつでも」 それから、私は数人の隊士達と手合わせをして稽古を終えた 部屋に戻ると 襖が開き土方さんが入ってきた 華恋「土方さん」 土方「来い、傷の消毒する。」 華恋「それくらい自分で出来ますよ。それに汗を掻いたので湯浴みを先にしたいのですが」 土方「そうか、風呂入ったらすぐに来い」 華恋「はい。では、行ってきます」 湯浴みを済ませ廊下を歩いていると 総司「華恋さん」 華恋「総司さん、稽古ですか」 総司「ええ、今、終わったところです。」 華恋「そうですか」 総司「今日、うちの隊士と手合わせして頂いたみたいで」 華恋「はい」 総司「華恋さんが手合わせしてくれてるおかげで最近めっきり腕をあげてきていますよ」 華恋「そんな、私は何もしていないですよ」 総司「いえいえ、道場では華恋さん師範代されいたと一くんに聞きました」 華恋「斎藤さんには敵わないですけど」 総司「また、私と手合わせお願いしますね」 華恋「こちらこそ、次は、簡単には負けないですよ」 総司「あははは、私も精進しないとですね」 そう言いながら総司さんは歩いて行った。
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