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部屋に戻り首の治療をしてもらう
土方「これでいいだろう、また、朝に薬を塗ってやる」
華恋「歳さん、これくらい自分で出来ますので」
彼は包帯の巻かれた首に手を触れなぞっていく
土方「気にするな」
触られるだけで身体が反応する
華恋「あ、ありがとうございます。」
身の危険を感じる
ズズッ
土方「どうした」
口角をあげながら彼は私を見ている
華恋「歳さん」
彼に引き寄せられる。
土方「今日は何もしねえよ」
その言葉に安心するも残念に思う私もいる。
今日の昼間の女性が気になって仕方がない
思い切って聞いてみる事にした。
華恋「歳さん、今日、町で会われた女性は」
土方「あ、ああ、あいつは」
華恋「君菊さんでしたっけ、土方さんの夜伽のお相手の一人ですか」
土方「ゴホッ」
ボトッ
吸っていた煙草を落とす
華恋「私の頭に浮かんだのは、あの方ではなかったですけど」
土方「か、華恋」
焦っている彼の姿が可愛くて少し意地悪してみた
華恋「島原や祇園、花街と色々な方と」
土方「華恋、今はもう通ってねえよ」
華恋「解ってます。ごめんなさい。私、醜いですね。解ってるけど、醜い感情で胸が痛いです」
涙が頬を伝う
土方「華恋」
抱き締められた腕が強くなる
華恋「あの方たちに比べたら私は美しくもない、でも、我がままかもしれませんが私だけを見て下さい。」
町での出来事が頭から離れなかった
土方「華恋、もう、お前以外の女は抱かねえ、安心しろ」
その一言だけで私を安心させてくれる
華恋「はい、貴方を信じます」
土方「今日は、もう寝ろ、俺の理性があるうちに」
華恋「は、はい」
私は急いで床に入り目を閉じた
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