第四幕

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はあっ 小さくため息を吐き起き上がる。 ズキッ 火傷の傷が痛み思わず手でさする 「痕は残らないって言ってたけど結構酷いな」 医師が消毒するときに見た火傷の痕は大腿から水膨れになっていた 傷の部分を触っているとあることに気づく 「さっきより、痛みが和らいだ気がする」 気のせいかな そう思いつつも擦り続ける 「やっぱり、気のせいじゃない」 私は、布団を捲り大腿に巻いてある包帯を取っていく スーッ ちょうどそこへ土方さんが部屋に戻ってきた 土方「おい、何をしている」 華恋「あ・・・//////」 急いではだけた着物を元に戻す 土方「何をしていると聞いている」 華恋「傷を見たくて」 土方「さっき見ただろう」 やはり、通用しない 今度は土方さんが私の着物に手を伸ばし 華恋「何を・・・・」 土方「お前が言わないなら自分で確認するまでだ」 そう言うと私の着物を捲り上げる 華恋「土方さん」 少し大きな声名前を呼ぶと手が止まった 私は自分で包帯を取り火傷の傷をみた えっ 触れた部分だけ傷が治りかけていた 顔をあげ土方さんを見る 土方さんも驚いているようだ 土方「お前、傷が・・・・」 華恋「傷に触れたら痛みが和らいだような気がしたので・・・」 土方「・・・・・・」 私は立ち上がり 華恋「土方さん、ご迷惑かけてすみませんでした。部屋に戻ります」 この場から早く立ち去りたい そんな気持ちが胸を覆いつくす もう嫌だ これじゃ、私は化け物じゃないか 人間じゃない 此処に居てはいけない、あの黒い影の人の所にも行ってはいけない そんな思いが大きくなっていく 土方「待て」 華恋「すみません。今の状況をまだ呑み込めてないので今は一人になりたいです」 土方「解った。俺が出ていく、お前は此処で休め」 そう言うと土方さんは部屋を出て行った 再び布団に横になる 目を閉じようとした瞬間 炎が見える 叔父様の道場が燃えている どうしよう 華恋「土方さん」 居るはずのない名前を呼んでみる
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