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それから、半刻ほど机に向かい書き終える
華恋「土方さん、これを」
書き留めた紙を渡す
土方さんはその紙に目を通し
土方「華恋、そこに座れ」
華恋「はい」
私は土方さんの前に腰を下ろす。
土方「俺は、お前の能力を利用するかもしれねえ、お前がそれを好まねえならはっきりと言ってくれ、力を利用するということはお前を狙っている輩と変わらねえからな。」
土方さんの率直な言葉にどう答えていいか解らない
土方「華恋、俺はずるい人間だ。お前の答えも解ってて聞いている。」
華恋「ならば、わざわざ聞く必要ないのでは」
土方「それでも、お前の口から聞きたい」
本当にずるい人だこの人は、きっと私の気持ちも解っている。
華恋「本当にずるい人ですね。きっと何もかもお見通しですよね。私の気持ちも全て」
土方「ああ」
華恋「利用して頂いて構いません。今の私の居場所は此処、だから、貴方達のお役にならそれで構いません。」
土方「そうか、解った」
華恋「私は貴方が好きです。」
土方さんが顔を上げ私を見る
華恋「土方さんの答えは解ってますので要らないです。でも、ごめんなさい。今すぐにこの気持ちに蓋をすることは出来ません。なのでもう少しだけ、好きでいさせて下さい。」
涙が頬を伝う
土方「チツ」
舌打ち
ただ思うことだけも駄目だと言うことだろうか
土方さんの表情を見るために顔を上げようとした瞬間
グイッ
腕を掴まれ引き寄せられ土方さんの胸に抱き寄せられた
土方「情けねえな、全部、お前に先越されるとは」
華恋「・・・・・・」
言っている意味が解らない
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