第五幕

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数ヶ月前まで毎日のように普通に出歩いていたのに、久しぶりの京の町は凄く新鮮だった。 土方さんの用はすぐに終わり、私は、久しぶりの町を堪能した。 土方「華恋、俺から離れるなよ」 華恋「うふふっ、大丈夫ですよ。子供じゃないんですから」 私の少し後ろから土方さんは着いてくる。 あ、最近、着物買ってないな 私は、呉服屋の前で足を止める 土方「見ないのか」 華恋「いいんですか」 土方「ああ」 店の中に入り着物を見て行き着物と胴着等を数着ずつ買った。 お金を払おうとすると 土方「俺が買う」 華恋「大丈夫です。お給金、貰ってますので自分で買えます」 土方さんの手が頭に触れる 土方「これくらい、俺に買わせろ。次、いつ外に連れ出してやれるかわからねえ」 顔に血が集まるのが解る 恥ずかしい 私は下を向き 華恋「ありがとう」 土方「ああ、勘定してくるから入り口で待ってろ。何があってもそこから動くなよ」 華恋「はい」 言われた通り店の外で待つことにした。 外で待っていると 頭に予知が浮かぶ それと同時に気配を感じる。殺気は感じられない 周りを見てみるがそれらしい人は見当たらない しばらくして土方さんが出てきた。 土方「そろそろ、帰るか」 華恋「はい、今日は楽しかったです。ありがとうございます。」 土方「また、連れて来てやるよ」 華恋「はい」 予知が気になったが今は土方さんとの時間を大切にしたい さっきまで感じていた気配も消えた
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