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屯所までの道をたわいもない会話を楽しみながら歩いていると
また予知が頭に浮かんできた
それと同時に気配も
足を止め後ろを振り向く
誰もいない
私は、土方さんの袖を掴む
土方「解ってる」
土方さんも気配を感じているようだ
華恋「かなりの人数です。目的は私です」
小声で話す
土方「お前」
華恋「はい、見えました」
土方「俺から絶対に離れるな。奴らが動き出すまで気づかないふりをしていろ、いいな」
コクリと頷く
華恋「このまま、掴んでていいですか」
土方「ああ、離すな、たぶん奴らは町外れまでは手は出してこないはずだ」
華恋「はい」
私は出来るだけ平常心を装いながら歩いた
華恋「土方さん」
土方「なんだ」
華恋「そろそろ、知ってること教えてくれませんか。叔父様から何か聞いていらっしゃいますよね」
土方「華恋、時期が来たら必ず話す」
華恋「今はその時期ではないということですね」
土方「ああ、だが、その時期がいつ来るかはわからねえ、今日かもしれねえしずっと来ねえかもしれねえ」
華恋「わかりました」
時期が来ないと言えない何かあるのだろう
半刻ほど歩くと人気のない通りに出る
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