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その後、私は土方さんの計らいで湯浴みを済ませ、部屋に戻り土方さんの仕事の手伝いをしている。
一段落つき
お茶を淹れ土方さんの机に置く
すーっ
大きく深呼吸をして
華恋「土方さん、お願いがあります」
この願いはきっと反対される
土方「何だ」
華恋「私に刀を持たせてください」
土方「駄目だ」
即答・・・思った通りの答え
華恋「どうしてですか」
簡単に引き下がることは出来ない
土方「どうしてもだ」
華恋「あの人達はまた会いに来ると言った」
土方「外に出なければ会うこともないだろう」
華恋「外に出れないことをどうこう言うつもりはありません。でも、この浪士組の中には間者がいる。その間者が誰か解らない。襲ってきたら短刀じゃ役に立たない。それに今日、居たあの人達は相当な手練れ、この短刀では歯が立たない。それにこれ以上貴方の重荷になりたくないんです。あの人達は浪士組にとって敵ですよね。たぶん、今日襲ってきた奴らと同じ倒幕派」
土方「それとお前が刀を持つことが関係あるのか」
華恋「間者は私に簡単に近寄ることが出来ます。黙っていてすみません。私はあの人が京都に居ることを知らされていました。間者によって」
彼にあの時の文を差し出す
一気に彼の眉間に皺が寄る
そして、胸倉を掴まれ
土方「何故、黙っていた」
華恋「さ、さっき、土方さんが言ったのと同じ理由です。屯所から出ることはないから会うことはないと思って」
土方「チッ」
舌打ちして腕を放した
華恋「すみません。言い訳です。私の勝手な判断です。でもその間者は隊士として入隊したわけではなく忍び込んでいたようでした。刀の事は考えておいてください・・・・・それと、もし、私があの人達に連れ去られてしまったら、その時は私の事は忘れて下さい」
土方「お前何言ってる」
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