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俺はウォッカトニックを頼んでいた。
軽く乾杯をして飲む。
「美味しい。」
「良かった。」
すぐ酔いそうだ、ととろんとした目でグラスを見つめていた。
「上原さんてお酒強い?」
「うん。」
「いいな。僕はすぐ赤くなって‥」
「限界まで飲んだこと無いだろ?」
「うん。怖いもん。」
「たまにはいいぞ。今のうちだけだしな。」
「もう遅くない?」
「独身だろ?」
「‥うん。」
「じゃあいいじゃん。」
『独身』という言葉に表情が曇ったのがわかる。
「いくつだっけ?」
「二十五。」
「ふうん。」
年齢を聞いて驚く。
というか、聞いた自分に驚いたのだ。
年齢とか、そういうのはなんだかこいつに合わない。
そんなものどうでもいいもののように思えていたから。
「ねぇ、上原さん。」
「ん?」
「僕の雰囲気が苦手って、言ったよね?」
「ああ。」
撤回したい。
苦手なんじゃない。
そうじゃないんだ。
「どうしてかな?」
「え?」
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