2118人が本棚に入れています
本棚に追加
強ばる表情を無理矢理笑顔に変え、自分が聞きたかった事を代弁してくれた勝之進へ便乗した。
銀之助に対する殺意よりも、美緒から彼に近付き密着していた事実への衝撃が上回る。
「他に怪我が無いか見てたら、首の傷が酷くなった気がしてそっちに集中してたんです。」
憮然としながらも経緯を説明していると、途中参加の二名から心底安堵する溜め息が漏れた。
「ったく、いきなり人の着物剥ぎ取ったと思ったら前後左右から観察し始めるんだもんな。
参ったぜ。」
平常の顔色へ戻った銀之助が苦笑いを美緒に向け、そそくさと着物を身に付ける。
最初のコメントを投稿しよう!