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好いた相手と二人な挙げ句直肌に息が掛かる程間近まで詰め寄られ、理性は何度もぐらついた。
少し手を伸ばせば触れる事の出来る距離で満たされぬ欲求に抗い、いつ終わるとも知れない精神的な拷問を耐え抜く。
障子の開く音と飛び散る水飛沫は、ある意味銀之助に正気を取り戻させる絶好のきっかけだった。
しかし自室を水浸しにされた恨みは別のものとして考え、極限まで小さくなった勝之進を仰ぐ。
「お前何してくれてんだよ。
俺に立ったまま寝ろって言ってんのか?」
「ご、ごめんね。
でも凄い吃驚したんだもん。」
急いで桶を拾うが、既に水は入ってない。
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