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「勝君やっちゃったね。
しかも、ぷっ、桶まで命中させるって中々できないよ。」
「違うんですっ。
敷居が足に引っ掛かって。
ぎ、銀ちゃん、あの、怒ってる?」
一部始終を見ていたのか堪らず吹き出す総司へ、漸く起き上がって反論するもすぐさまずぶ濡れの銀之助に向き直った。
返答が戻ってこない事へ心底不安を募らせるが、完全に自分の落ち度な為必死で謝罪を繰り返す。
加勢に回ろうとした美緒は、総司が羽交い締めにしていて膝の上から逃げられずにいた。
銀之助は無言で桶や水と一緒に舞った手拭いを拾い上げ、自分から滴る水を拭く。
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