光の向こう

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「…出ていっちまったよ」 気の抜けた顔で、教員 如月和希はつぶやく。 「お前、説明へたすぎ。」 サラサラの短い銀髪に、緑色の瞳。彼は日本とイギリスのハーフである。真っ白い白衣を着たその男は和希の背後に立っていた。 「吉良…お前、いたのか」 「そりゃいるだろ💧。俺は保健医だ。つまりここは俺の保健室だ。」 「まあな…」 「それはそうと、さっきのお前の担当生徒、下界で虐めやってた生徒だろ?やっぱ大変なんじゃねぇの?指導教員やるの。」 煙草に火をつけながら、保健医は言う。 「……まあ、人生って大変だよな」 「お前が言うと全く重みがねぇ言葉だがな💧」 「まあ、なるようになるだろ」 のーてんきに言いはなって和希は保健室を後にした。
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